素材は綿ツイルです。
二次元の資料を、実際の服として再現する場合に難しいことの一つに平面である生地を立体にする作業があります。
衣装に使う生地は当然のことながら平面です。一方我々人間の身体は立体で至る所に凹凸があります。
ただなにもせずにそのまま生地を身体に沿わせると、立体を覆いきれないところでしわが発生します。身体を動かすための運動量などの確保も必要ですので、しわを完全に無くすことは難しいのですが、あるていど製図のテクニックで減らすことは可能です。
また今回のワンピースなどのように上半身は通常のシャツタイプで下半身がドレープ分量の多いスカートになっていますと、上半身と下半身をひとつなぎの生地で製作することが難しくなります。
これら立体の再現、しわの軽減、ボリューム感の変化などを解決するために、ダーツやタック、切り替えなどの手法を用います。
とくに衣装のどの位置で生地を切り替えて、きれいに立体をつくるかにはいつも頭を悩まされます。原作の資料は、立体にするために必要な縫い目線などが描かれていないことが多く、また人間の等身とはバランスが違いますので再現には気を遣います。(バストの大きなキャラで胸の下までぴっちりと覆った衣装を良く目にされると思いますが、実際には切り替え線やダーツが無い場合、超伸縮素材を使わないとあのようなシルエットの再現は難しいです。)
今回の場合は、ウエストから下の分量がかなり多くなりますので、ウエスト位置で切り替えたいところです。
ちょうどウエスト位置をヒモで縛ってたぶらせて着るタイプの衣装でしたので、切り替えの線がうまく隠せるので問題無くそのままウエストで切り替えました。
ですが毎回隠せるところで切り替えられるとは限りませんので、どうしても切り替え線が必要な場合は、デザインを崩さない範囲でどの位置で切り替えるかをお客様にご相談させて頂いております。
お気に入り頂けますと幸いです。またのご依頼も心よりお待ち申し上げております。
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