ご紹介できていなかった製作実例まとめ ２０２０年８月

みなさま、こんにちは。

前回のまとめからかなり月日が経ってしまいました。
その間、新型コロナウイルスの蔓延、それに伴いイベントの中止が相次いでおりますが、一日も早く平穏な日々が戻ることを心待ちにしております。
皆様におかれましても日々息災で過ごされますこと祈念申し上げます。

いくつか制作した衣装をご紹介させていただきます。

ハンターXハンタークロロ・ルシルフル

素材：合皮、フェイクファー、アイロンプリントカッティングシート

原作では毛足の長いファーが特徴ですが、市販されているフェイクファーであれほど毛足の長いものは入手できないため、スタンドカラーの要領で衿の高さを出し、高くなった衿が折れてしまわないように芯地を内蔵しております。

また前部の菱形状のパーツは衣装にゆとりがありすぎるとだぶついてたるんでしまいますのでできるだけタイトフィットになるように心がけました。

背中の逆十字はアイロンプリントのカッティングシートを貼り付けております。アイロンの温度が高すぎると土台の合皮が溶けてしまい、低すぎると剥がれやすくなるので温度の設定に細心の注意が必要です。

素材：ポリエステルツイル、合皮、オーガンジー

かなり細かな装飾が多く、フリルレース、ライン、金色の模様などをひとつひとつ費用対効果も念頭に入れながら再現致しました。
細いラインはサテンテープ、フリルは身頃と共布を使って制作すると高くなってしまいますのでできるだけ市販品を使い、細かな模様はアイロンプリントのカッティングシートを使っております。

アイロンプリントのカッティングシートはパソコンで製図した型紙の上に直接模様を載せてイラストをデータ化しておりますので型紙に合わせた生地の大きさにぴったりと合うように作られています。ケープなどは少しでもずれるとギザギザ部分と金色の模様が揃わなくなりますのでパソコン上でミリ単位で調節をしております。

胸のアクセサリーは粘土を着色しております。
ただ衣装製作と比べますと、造形物の製作技術はまだまだだと思いますので日々精進を心がけております。

こちらもスカートなどの金色の装飾部分の再現難易度が高い衣装となっております。

そのためライン部分は市販品のメタリックバイアステープ、三角形の模様はアイロンプリントカッティングシート、フリンジ部分は合皮から製作、裾からたれているパーツはスパンコールにひもを通して再現するなど手法をいくつも組み合わせております。

またピンクのスカート部分はパソコン上の製図だけでは再現が難しいため、実際に仮縫いをしてから本生産をしております。

こちらのエプロン部分などにもアイロンプリントカッティングシートを使用しております。
重ね張りができますので多色カラーでの再現も可能です。

特徴的なのが裾にあるグラデーションです。
グラデーションの再現方法としては、手染めのグラデーションと、テキスタイルプリントを使い生地から制作する方法があります。

手染めで再現する場合は、綿の生地が一番染まりやすく、ポリエステル生地は染まりにくいため工程が増えます。
過去に手染めをした際の投稿記事がありますのでご紹介させていただきます。

テキスタイルプリントは真っ白な生地に文字通り生地用のプリンターで色をプリントしていく方法です。
パソコン上でデータを作成する必要がありますので、データ作成費用がかかります。
使用できる生地はポリエステル素材に限られますが、ツイルやサテン、オーガンジーなど種類は豊富です。

費用的にはテキスタイルプリントの方が安い場合が多いです。
風合いは手染めの方がランダムで自然な風合いになり、テキスタイルプリントは無機質な感じになります。

使用生地はほとんどが合皮で、衿の模様部分のみ先程ご紹介しましたテキスタイルプリントで再現をしております。

合皮の生地は、生地自体も高く、一度縫ってしまうと針の穴が空いてしまい縫直しがきかない生地のため慎重な作業が必要です。
そのため布帛の生地と比べて制作費が高くなってしまいます。

生地を制作費の順番に並べますとデザインにもよりますが
安い　ブロード＜ツイル＜サテン＜合皮＜オーガンジー、シフォン＜別珍＜ベルベット　高い
の順番となります。

その他にも色々と製作をしております。
ご質問等がございましたら
mail@customized-r.com
までお気軽にお問い合わせくださいませ。

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