綿ツイルや綿ブロードはいままで何度も染めたことがあるのですが、今回初めてポリエステル生地の染色をしてみました。
ポリエステルはかなり染まりにくい生地ですので、通常綿素材などで使用するダイロン系の染料では染められません。そのため今回はポリエステル専用の染料を使ってグラデーション染めをしてみました。
ご自身で染め加工をされる際の参考になるように手順をご案内させて頂きます。
用意するもの(シャツ一枚程度を染める場合)
・10リットル以上のステンレス製鍋(鉄製やアルミ製など材質によっては染料と反応してしまいますのでご注意ください。使用後はお料理には使えません。) できれば2個。
・洗い用の大きいたらい
・カセットコンロ できれば2台。
・やかん
・ゴム手袋
・菜箸(かきまぜるために使います。使用後はお料理には使えません。)
・染料 今回は「ホットダイP-100」です。
ポリエステル100%繊維専用染料メール便発送は不可… |
すっかり梅雨もあけ、晴天の夏空の下、絶好の染め日和となりました。
広いスペースが必要ですので、屋外での作業となります。田舎なので場所はたくさんあります。
そしてカセットコンロでステンレス製鍋にお水を入れて沸騰させます。
ちょっとしたアウトドアクッキングのようです。
なべとやかんのお湯が沸きましたら、染料をやかんのお湯で溶かし、鍋の中に濃色促進剤と一緒に入れます。お湯の分量はご使用になる染料の説明書をご覧ください。
グラデーション加工をしないで丸ごと染めてしまう場合は、そのまま生地を全てドボンと入れてしまいます。
今回はグラデーションになるように染めますので、色を付けたいところだけ染料液に浸けていきます。そのとき浸けたままで布を動かさないでいると段々の線状に染まってしまう恐れがありますので、常に腕を上下させてきれいなグラデーションになるように注意します。今回使った染料はその状態で30分浸ける必要があります。
手を動かしている間はその場を離れられないので、お一人でされる場合は前もって段取りを考えておく必要があります。
色が移るといけませんので、染めないところは浸さないようにします。
色落ちを防ぐために、余分な染料をソーピング剤で落とします。
またお鍋でお水を沸騰させソーピング剤を入れて布地を浸していきます。
しっかり洗っても結構色が落ちてお湯の色が変わっていきます。
10分経ったら火を止めて60度くらいになるまで待ちます。
最後にまたぬるま湯で洗った後、お水で洗います。
向こうに写っているのは豆畑です。
生乾きの状態になったらアイロンをかけて工程の完了です。
途中夕立で中断したりしながら、二人がかりで半日ほどの作業でした。
綿素材の染めと比べて洗いと色止めの工程が増え、浸ける液も90℃を保つ必要がありますので、作業は少し大変です。
ただグラデーションの染まり具合は綿に比べてかなりきれいな階調に染まります。
青色もしっかり染まり、きれいに白に変化しています。
最近はインクジェットプリントでのオリジナルテキスタイルの製作費用も安くなってきておりますが、それでも数万単位で費用がかかってしまいますので、手間と時間はかかりますが、あまり費用をかけずにグラデーション染めをしたい場合はチャレンジされてはいかがでしょうか。
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