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仮縫い(トワル組み)について

みなさま、こんにちは。
今日は、仮縫い(トワル組み)についてご紹介をさせて頂きます。

衣装製作は、平面である布地を立体物にする作業です。
いつも作っている形でしたら、型紙上である程度どのような立体感になるのかが想像できるのですが、作りなれていないものを製作する場合は、本生産の前に似た生地を使って仮縫いを行います。
仮縫いに使う生地をファッション用語でトワルと言います。
本生産の時と同じ生地を使うのが一番良いのですが、生地が高価な場合は厚みや質感が似た生地で行います。
仮縫いはそのトワルを使って行いますので、トワル組みなどとも言います。

実際にトワル組みを行う際の手順ですが、型紙無しで制作する場合と、ある程度大まかな型紙を引いてから行う方法があります。

こちらの帽子は切り替線が通常の帽子とは異なり、変則的な位置に入るため平面製図だけでは形が読みづらいためトワル組みを行うことにしました。

ひとまずおおよその形を型紙で引いて、縫い代を多めに取って裁断をします。
色が全然違うのは、費用を抑えるために似た質感の余り生地を使用しているためです。
トワル組みをする際はシルクピンと言われる細いピンで留めていきます。参考資料と見比べながらきれいな丸みがでるようにピンを何度か留め直して作業をしていきます。

ある程度形になってきました。
問題が無ければ、ペンなどで上がりの線を記入していき、ピンを全て外してその形を紙にトレースして型紙を製作します。

こちらはその型紙を元にして本生産と同じ生地を使いミシンで縫った物です。
トワル組みの際は気にならなかったのですが、実際に塗ってみると前の切り替え位置が少し高かったため、その位置を再度調整していきます。

修正を施して完成したものがこちらです。

実際に製作してみないと形が読みづらいものには、帽子、マスク、かなりタイトな衣装、小物、ドレープやギャザーを使ったものなどがあります。
費用を抑えるためにぶっつけ本番でいきなり本生産をすることもできなくはないですが、資料のバランス通りにうまくできあがるかどうかのリスクがあり、失敗した場合にお客様をがっかりさせてしまうことになりますので、仕上がりが読みづらいものは仮縫いをしてからの製作をお願いしております。
ただ本生産と同じ工程の作業となり本生産以上の時間がかかるため本生産と同程度の費用が追加でかかる場合がございます。
費用面でさらなるご負担をお願いすることになり誠に心苦しいのですが、衣装のクオリティを上げるためにもご一考頂けますと幸いです。

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