ずっと欲しかった扁平縫いミシン(カバーステッチ)をようやく導入致しました。
これはどんなミシンかと言いますと、ストレッチ性のある生地で衣装を製作した際の、袖口や裾、もも付け根周りなどの始末に使うミシンになります。
Tシャツなどの裾や袖口に使われている表側がダブルステッチで裏側がルーパー糸でジグザグになっている箇所にこのミシンが使われています。
通常の本縫いミシンとの違いは、始末した後の生地の伸び率です。
上がレジロン糸を使った場合で下がカバーステッチを使った場合です。
ご覧のように、カバーステッチで始末した方が、生地がより多く伸びております。
レジロンが約1.1倍、カバーステッチが約1.3倍ほど伸びました。
本縫いミシンでストレッチ性のある生地端を始末する場合、上糸をレジロン糸、下糸をウーリー糸などの伸びる糸で縫いますが、糸はゴムほどまでは伸びませんので気持ち伸びる程度に留まってしまいます。
今までストレッチ素材を使ってジャストフィット以上のゆとり感で衣装を製作する際はそれほど生地の伸びが必要ありませんでしたのでこちらの方法で再現しておりました。
逆にレオタードなどのタイトフィットでの製作の場合は激しい動きに対応する必要があり、衣装は動きに合わせていろんな方向へ引っ張られます。
各部分の伸びが悪いと運動にも支障が出てきますので、レオタード生地で身体にぴったりフィットした衣装のお見積もりを頂いた際は、申し訳ございませんが納得いくものが製作できない理由でご依頼を全てお断りしておりました。
せっかくお問い合わせ頂きながらお断りするなんて畏れ多いことですが、これでもうお断りすることなく喜んで製作を承ることができます。
Tシャツやカットソーなども縫えてかなり製作の幅が広がるミシンですが良いことばかりではありません。
ここでひとつ注意すべき問題があります。
生地がたくさん伸びてくれるのは良いのですが、着ているうちに伸びた部分が戻らなくなってだるんだるんになってしまうのです。
これを解決する方法は、伸びた部分が戻るようにあらかじめ生地端となる箇所にゴムのような形状復元効果のあるテープなどを入れておくことです。
ところがテープはたくさんの種類があり、どれが今回製作する生地と相性が良いのかがわかりません。
そこで練習も兼ねていろんなゴムを取り寄せて実験してみることにしました。
使ったテープは
・ウーリースピンテープ
・透明ゴム
・パンツゴム
・新素材ゴム
などでメーカーや幅を変えていろいろ試してみました。
試した結果、今回は仕上がりの美しさと、伸びと戻りの良さで新素材ゴムを選びました。
もも根元周りなど動きによって大きく伸びる箇所には全てテープを内蔵しました。
レオタード系の衣装は、生地の伸び方向や伸び率によって型紙も変わり、厳密な採寸が必要となって参ります。
そのためお持ちのレオタードや衣装をお送り頂き、そちらのサイズを基にした製作も承っております。
追加で費用がかかってしまいますが、仮縫いや試着をし修正点を洗い出してからの本生産なども対応しておりますので、ダンス、チアガール、バトントワリング系の衣装製作もお気軽にご相談くださいませ。
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