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製図(パターンメイキング)のおはなし①

服の製図をパターンメイキングと言いますが、ファッションの専門学校でこのパターンメイキングを勉強する手順としましては、まず基本となるデザインの製図を数通り勉強していきます。
衿の種類ですと、スタンドカラー、シャツカラー、フラットカラー、テーラードカラー、ナポレオンカラー等々・・・。
袖の種類ですと、パフスリーブ、テイパードスリーブ、ベルスリーブ、ラグランスリーブ、二枚袖、レッグオブマトンスリーブ等々・・・。
そして実際にデザイン画を見て製図するときは、これらの基本製図のどれを用いて製図すると絵の通りの仕上がりになるかを考えて製図することになります。
衣装の製図をする場合も基本的には同じ方法です。
ただし衣装の場合デザインによっては基本製図を応用した製図を求められることが多いです。
それだけデザインが複雑になっているからです。
たまに二次元では存在しても三次元では存在し得ないデザインに遭遇することもあります。(そのお話しは別の機会にでも)

衣装製作に使用する生地は大きく分けて伸び縮みしない織物の布帛と伸び縮みする編み物のニット(ジャージ)があります。
丸いボールを紙でくるんでみたときのことをイメージして頂くとわかりやすいのですが、丸いものを平面的なものでくるもうとするとどうしてもしわが寄ってしまいます。
同じように丸いところや筒状のところなどが複雑にくっついている人体を平面上の布地でそのままくるむとしわが寄ってしまいます。
そのしわをできるだけなくすためには、布地を何枚かに切り分けて身体に沿わせていく必要があります。
その技術としてパターンメイキングがつくられました。
あと被服は身体が動くことも計算に入れる必要があります。
この運動量を加えることも重要です。

ぱっと見ると黒ラインが入っているだけでそれほど複雑には見えないこちらのご衣装。

実際に製図をしてみると結構手間がかかります。

まず衿がハイネックカラーとなっており、身頃から生地が伸びて衿になっているのですが、袖とも同じ生地になっています。
一方袖はラグランスリーブです。二の腕周りが身体にフィットしたデザインでしたが、通常のラグランスリーブでは二の腕周りがどうしても太くなってしまいますので、肩で傾斜を付けることで袖幅を細くしています。
また切り替え線を利用して袖口を細くしています。
そして黒い生地の切り替え部分もありますので、別パーツとして製図しております。

衿周りの製図などは数㎜単位の作業ですので、実際に衣装をご着用頂いた際にはあまりお気づきにならないと思います。
だからといって手を抜くようなことはしたくないのです。
少しでも着苦しいところがないように、少しでも動きやすいように、少しでも脱ぎ着がしやすいようにとの思いを込めて製図させて頂いております。

メールのやりとりだけのご注文でもできるだけ身体に沿ったものをお作りしたいので、サイズに関してはしつこくお伺いすることもあり迷惑がられているかもしれません。
ご満足して頂きたいという一心で慎重に作業を行わせて頂いておりますのでお手数をお掛けしますが何卒お付き合いの程よろしくお願い申し上げます。

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